相続人の調査・相続関係説明図
「相続の手続きを始めたいけど、相続人って誰になるの?」「昔関係が途切れた親族とも連絡を取らなきゃいけないの?」
相続が発生すると、まず必要になるのが「相続人の確定」です。
しかし、調べ方が分からなかったり、戸籍が遠方にあって面倒だったりと、戸惑う方が少なくありません。
このコラムでは、行政書士が相続人を調査する手順や、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
ご自身でできる範囲と、専門家に任せたほうがよい場面の違いについても触れますので、
相続手続きでお困りの方や、将来に備えておきたい方はぜひ最後までご覧ください。
相続人の調査とは、「亡くなった方(被相続人)に法律上どのような相続人がいるのかを明らかにする作業」のことです。
相続手続きを進めるうえで、誰が相続人になるのかを確定することは最初に行うべき重要なステップです。
相続人の範囲は、民法で明確に定められており、配偶者・子ども・親・兄弟姉妹など、状況によって異なります。
特に注意が必要なのが、「認知された子ども」や「前婚の子ども」「異母兄弟」など、関係が希薄だった親族も相続人となる可能性があることです。
そのため、ただ家族に話を聞くだけでは不十分で、戸籍を正確にたどることが必要不可欠となります。
この調査を誤ると、相続手続きが無効になるリスクもあるため、慎重に行わなければなりません。
相続手続きを正しく進めるためには、すべての相続人を漏れなく把握することが法律上の前提となります。
たとえば、遺産分割協議を行う際には、相続人全員の合意がなければ無効とされるため、一人でも相続人が抜けていると手続き全体がやり直しになる可能性があります。
また、相続登記や預貯金の解約などの場面でも、相続人全員の署名・押印や同意書類が必要です。
そのため、「誰が相続人にあたるのかを明確にすること」は、すべての相続手続きの土台になります。
さらに、相続人の中には「行方不明者」や「関係が疎遠な親族」が含まれることも珍しくありません。
調査を怠ると、思わぬトラブルや無効な手続きにつながる恐れがあるため、慎重に、かつ正確に進めることが重要です。
相続人を正確に特定するためには、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての戸籍を収集する必要があります。 以下のような流れで行われます。
現在の戸籍(除籍・改製原戸籍)を取得
被相続人の最終住所地の役所から、死亡時の戸籍を取り寄せます。
過去の戸籍をさかのぼって取得
結婚・転籍・戸籍の改製などがある場合は、それ以前の戸籍を順にたどります。
「出生から死亡まで連続した戸籍」がそろうまで集めます。
相続人を確認
子の有無、配偶者の有無、養子縁組や認知された子などを確認し、誰が相続人となるか判断します。
戸籍の種類が複雑
現行戸籍(平成以降)・改製原戸籍(昭和)・除籍謄本など、形式が異なる戸籍が混在しています。
昔の文字や記載が読みにくい
手書きの戸籍や旧字体が多く、読み取りに慣れていないと解釈を誤ることも。
全国の役所に請求が必要な場合もある
本籍地が何度も変わっていると、複数の市区町村に郵送請求が必要になります。
戸籍から漏れている相続人の見落としに注意
非嫡出子や養子縁組された子など、見落としやすい相続人もいます。
特に手続きを誤ると後々大きなトラブルや費用が発生する可能性もあるため、不安な方は専門家への相談がおすすめです。
2024年3月から全国の役所で戸籍が取れるようになりました
これまで、戸籍謄本や除籍謄本を取得するには本籍地の市区町村に直接請求する必要があり、特に相続人調査などで出生から死亡までの戸籍を集める場合、複数の役所へ個別に郵送請求する手間と時間がかかっていました。
しかし、2024年3月から始まった「戸籍の広域交付制度」により、全国どこの市区町村役場でも戸籍の取得ができるようになりました。
全国どこの役所でも取得可能
たとえば、東京都に住んでいても、鹿児島県の本籍地の戸籍が取得できます。
請求できるのは直系の親族のみ
父母・祖父母・子・孫など。兄弟姉妹の戸籍は対象外。
取得できるのは“本人”または“直系の親族”
行政書士など代理人による取得はできません。
取得には対面での本人確認が必要
マイナンバーカードや運転免許証などの提示が必須。
郵送・オンラインでの請求は非対応
戸籍謄本(全部事項証明)
除籍謄本
改製原戸籍
※戸籍の「一部事項証明書」や戸籍抄本は対象外です。
相続人の調査では、被相続人の過去の戸籍を順にさかのぼって集めていく必要がありますが、本籍地が何度も移っていたり、遠方に点在している場合でも、近くの役所で一括請求できるのは大きな利便性です。
ただし、窓口に行けるのが本人や直系の親族に限られるため、他の相続人の分や代理取得が必要な場合には、これまで通りの方法(本籍地に郵送など)を併用する必要があります。
窓口では戸籍の取得理由を明確に説明する必要があります(例:相続手続きのため)
複雑な家系や戸籍の読み解きが必要な場合は、取得だけでなく解読や整理にも時間がかかることがあります
広域交付制度で取得した戸籍をもとに、正確な相続人の確定や相続関係説明図の作成が必要になります
このような場合は、行政書士が戸籍の整理・読み解き・図面化・法的解釈などをサポートすることで、相続手続きがスムーズに進みます。
連絡が取れない親族・異母兄弟の存在に戸惑うケースも
相続手続きの最初のステップ「相続人の確定」は、単純そうに見えてもさまざまな壁にぶつかることが多いものです。
戸籍を集めていく中で、予想していなかった相続人の存在が判明したり、長年音信不通の兄弟姉妹がいたりすることは、決して珍しくありません。
長く連絡を取っていない兄弟姉妹がいる
異母兄弟や認知された子の存在が判明した
相続人が海外在住で連絡・書類取得が難しい
戸籍が複雑で、誰が相続人か自分では判断できない
こうした状況では、書類の整理だけでなく、気持ちの整理も難しい場合があります。
第三者として行政書士が介入することで、冷静かつ客観的に相続関係を整理し、スムーズに手続きを進めることが可能性があります。
行政書士の業務は、相続人調査・戸籍収集・相続関係説明図の作成・遺産分割協議書などの書面作成が中心です。
そのため、相続人間の話し合いの仲裁や代理での交渉は法律上できません。
(※遺産分割を巡って対立がある場合は、弁護士に依頼する必要があります。)
私たち行政書士はあくまで中立の立場から、正確な情報に基づいて手続きを円滑に進めるための「書類作成の専門家」としてサポートいたします。
相続人調査でお困りの方は、まずは状況を丁寧に整理し、どの専門家に相談すべきかを判断することが大切です。
当事務所では初回相談無料ですので、「これって相談していいのかな?」という段階でもお気軽にご連絡ください。
面倒な戸籍の収集から書類作成まで、代行します
相続手続きを始める際、最初のハードルとなるのが「相続人の確定」です。
行政書士はこの相続人調査の分野において、以下のような業務を代行・サポートできます。
戸籍の収集と整理
被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を収集し、相続人を正確に特定します。
相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
調査結果をもとに、家族関係を図にまとめた説明図を作成。金融機関や不動産の手続きにも利用されます。
相続に関する相談対応・書類の作成
法定相続人に基づく書類作成や、相続関係の資料整備を中立的に支援します。
相続人間の交渉や調整
遺産の分け方についての代理交渉や法律判断
これらは弁護士の専門領域となるため、必要に応じて適切な専門家をご案内いたします。
戸籍の収集は思いのほか煩雑で、取り寄せ先が全国に及ぶこともあります。
「どこに問い合わせればよいか分からない」「書類が揃っているか不安」と感じたときは、行政書士にご相談いただくことで、正確かつスムーズに相続人調査を進めることが可能です。
A. はい、可能です。
ただし、被相続人の「出生から死亡まで」の全戸籍を正確に収集・確認する必要があり、本籍地の移動があると複数の役所に請求しなければなりません。記載内容の読み取りも複雑で、誤りがあると手続きが進まないため、行政書士に依頼する方がスムーズです。
A. 原則として、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍が必要です。
昭和初期や大正・明治時代までさかのぼることもあり、除籍謄本や改製原戸籍など複数の種類があります。手間と知識が必要なため、専門家のサポートが有効です。
A. 戸籍調査によって法定相続人を正確に特定できます。
調査の結果、過去に認知された子や異母兄弟の存在が判明することもあります。こうした場合も、戸籍上の事実に基づいて、冷静に対応していくことが大切です。
A. 内容によって異なりますが、当事務所では明確な料金体系をご提示しています。
戸籍収集・相続関係説明図の作成といった基本的な業務は事前にお見積りを提示し、納得いただいた上で着手いたします。まずはお気軽にご相談ください。
不安や疑問は、専門家に相談してすっきり解決しましょう
相続手続きは「相続人を正しく把握すること」から始まります。
しかし、戸籍の収集や読み取りには専門知識が必要で、ご自身で行うには大きな負担となることも。
当事務所では、相続人調査から書類作成までを一貫してサポートいたします。
「自分で調べてみたけど不安がある」「誰に相談すればよいか分からない」とお感じの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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