➤空き家対策‐管理‐

 空き家対策(管理)

  • 空き家の所有者が複数人いて、方向性をすぐに決められない。
  • 不動産市況が現在よりいい時に売却したい。

様々な事情で、しばらく保有する必要がある場合の空家の維持・管理についてメリット・デメリットをご紹介します。

空き家の適切な管理は所有者等の責任です

■ 空き家等対策の推進に関する特別措置法

空き家等対策の推進に関する特別措置法が平成27年2月に施工されました。
(令和5年12月に改正された法律が施行)
この法律では増え続ける空き家等の適切な管理に努めるよう、所有者等の責務が定められています。また、管理を怠っていると行政より「特定空家等」と扱われ助言、指導等を受ける場合があります。
特定空家等に指定されると固定資産税・都市計画税の特例措置が適用されなくなり税金が高くなります。また、勧告、指導に従わないと行政代執行制度により所有者の同意なく解体されることもあります。

特定空家とは
  1. そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

国土交通省「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)より

■ 民法に基づく責任

空き家に限らず所有している不動産については
「土砂がお隣の土地に崩れ落ちそう」な場合や「庭木が境界線を越えている」場合などにはその問題の解決を求められることがあります。
 さらに、空き家など保存状態が悪いことで損害を与えた場合など【例:屋根の瓦が落下した、外壁がはがれて隣の住戸に傷をつけた】には賠償責任を負う場合があります。
 これは家に限らず、塀、竹木など敷地内のすべての物が対象です。

参考:民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

このページの目次

空き家を管理する《メリット》

空き家を適切に管理することで、次のようなメリットがあります

近隣トラブルの回避

管理されずに放置された空き家は近隣トラブルの原因となる可能性があります。

  • 空き家からの悪臭
  • 庭木の越境
  • 庭木が前面道路に大きくはみ出しており、通行時に危険がある

日頃から適切な管理を行っておけば、近隣トラブルを事前に回避する事ができます。

資産価値の維持

人が住まなくなると、建物は急速に劣化が進んでしまいます。

定期的に換気や上下水道の利用などを行うことで、建物の劣化を遅らせる事ができます。
また、設備の故障やトラブルの早期発見・早期対応が可能になります。


管理項目の例

  1. 換気
  2. 水漏れ・通水などのチェック
  3. 清掃
  4. 郵便物の確認
  5. 庭木などの管理

空き家の管理は、不動産の資産価値の維持につながります。

 

防犯対策

定期的に管理をすることで、ポストに郵便物がたまっていないなど外観から人の出入りがあることがわかり、防犯対策となります。

空き家の適正な管理

空き家の利活用が決まらない場合などは、空き家の管理が大切です。
ご自身が遠方に居住しているなどの理由で管理を行うことが難しい場合には、空き家の管理サービス等の利用も検討することをおすすめいたします。

最初にやっておきたいこと

■ご近所にお声がけする

空き家になることが決まったら、ご近所の方にもそのことを伝えておきましょう。 可能であれば緊急時に備えて自身の連絡先もお伝えください。建物の管理と併せて、周辺の状況なども確認しておくと、不法侵入・不法投棄等のリスク回避にもつながります。ご自身での管理が難しい場合は管理サービスを扱っている不動産業者などに依頼すると良いでしょう。

■火災保険への加入を検討する

空き家は、定期的に管理をしたとしても人が居住している家屋に比べて火災や盗難などのリスクが高くなります。
特に将来的に賃貸不動産としての活用・売却したいとお考えの方は火災保険に加え、盗難や水漏れなどにも対応した保険への加入を検討しましょう。

■不審者の侵入等の予防をする

人を感知して点灯する照明(人感センサー付きライト)などの設置は不審者の侵入防止に効果的です。
見通しをよくしておき、周辺に足がかりになるようなものを置かないようにしましょう。

定期的な点検とお手入れ

近隣
項目 作業内容
近隣へのご挨拶
  • 近隣の方へのご挨拶
    (自身の連絡先を知らせておきましょう)
  • 迷惑をかけていないかを確認(樹木の越境など)
建物の内部
項目 作業内容
施錠の確認
  • 玄関、窓などの施錠確認
通風・換気
  • すべての窓、扉を開けて換気
  • 換気扇、換気システムの運転
通水
  • 数分間水を出す
  • 排水溝に水を流す(防臭、防虫)
設備機器確認
  • 水漏れ
  • 空調、給湯設備の稼働
  • コンセントの清掃
外部
項目 作業内容
郵便物の確認・整理
  • ポスト、玄関への郵便物やチラシなどの整理
玄関周り・敷地周りの清掃
  • 落書きなどのいたずらがないか確認。敷地内の落ち葉などの清掃
外壁等の点検
  • ひび割れなどの建物に傷んでいる箇所はないかを確認
庭木・雑草の確認
  • 道路や隣地にはみ出していないかを確認。必要に応じて除草、伐採をおこなう
  • ブロック塀などのぐらつきがないかを確認する

空き家を管理する《デメリット》

金銭的なデメリット

管理を依頼する場合、費用が発生します。
管理内容により、利用料金は異なります。
シルバー人材センターで空き家管理を請け負っている場合もありますので、空き家のある自治体や、物件近くの不動産業者などに、「管理内容」と「費用」を確認することをおすすめしています。

時間的なデメリット

管理を委託したとしても、管理者とのやり取りには手間と時間がかかります。
また、修繕などの必要が発生した場合には、相見積もりや、修繕内容の検討などをするために時間をとられることがあります。

 管理に係るコストや手間、保有するリスクなどから、売却を検討される所有者の方は多くいらっしゃいます。
 売却・管理・活用など幅広くご提案させていただきます。
 お気軽にお問い合わせください。

弊所は「宅地建物取引業」の免許を取得しており、行政書士業務と併せて事業を行っております。

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