相続した土地、すぐに売れますか?

― 境界と測量図の確認が第一歩です

                                               2025/6/21

親から土地を相続したが、使う予定もないため「売ってしまおう」と考えている――。

こうしたご相談はよくあります。

ところが、いざ不動産会社に査定を依頼すると、こんなふうに言われることがあります。

「この土地、境界がはっきりしていないと買い手がつきにくいですよ」
「地積測量図がないと価格査定ができません」

思わぬところで売却がストップしてしまう原因となるのが、土地の境界と測量図の問題です。
今回は、相続した不動産の売却をスムーズに進めるために必要な「地積測量図」と「境界確定」の基礎知識を解説します。

弊所は「宅地建物取引業」の免許を取得しており、
行政書士業務と併せて事業を行っております。

このページの目次

地積測量図とは?公図との違い

地の境界確認に用いられる図面には、主に次の2つがあります。

  • 公図(こうず)
    法務局にある簡易な図面。位置関係の目安としては使えるものの、正確性には欠けます。

  • 地積測量図
    測量士が実地調査して作成した図面で、土地の面積や形状、境界の位置が正確に示されています。

買主や不動産会社が重視するのは、明確な境界と面積を示した「地積測量図」です。
これがないと、正確な査定や売買契約が難航する場合もあります

「境界確定」とは?

境界確定とは、自分の土地と隣接する土地との境界を、実地で確認し、明確にする手続きのことです。

境界確定の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 測量士が現地を測量
     土地の形状・面積を正確に把握します。

  2. 隣接地の所有者と現地立会い
     双方で「境界はここです」と確認し合意をとります。

  3. 境界確認書の作成
     確認した内容を文書にし、双方が署名・押印します。

  4. 境界確定図の作成
     最終的な図面として作成されます。

境界が不明確なままだとどうなる?

境界確定や測量図がないままだと、次のような問題が起こることがあります。

  • 買主が不安を感じて契約を見送る

  • 境界越境・面積誤差などを理由に、値引き交渉される

  • 売却までに予想外の時間と労力がかかる

 

相続した土地を「資産」として活かすためにも、境界の明確化と測量図の整備は大きな意味を持ちます。

境界確定にかかる費用と期間の目安
  • 費用:おおむね50万〜80万円(状況や土地の大きさによって異なります)

  • 期間:2〜4ヶ月程度(隣地所有者との調整なども含め)

 

売却時期が決まっている場合は、できるだけ早めに準備を始めるのがポイントです。

まとめ

相続した土地は「名義変更すればすぐ売れる」と思いがちですが、
実際には、境界や測量の問題でスムーズに進まないケースも多く見られます。

まずは、次の3点を確認しましょう。

✅ 地積測量図があるか?
✅ 境界標(杭など)が現地に残っているか?
✅ 隣地との境界が不明確になっていないか?

 

これらを整えておくことで、土地の価値を正当に評価してもらえる状態になります。

 ご相談ください

「相続した土地を売りたいが、何から手を付ければいいかわからない」
「測量図があるかどうかも分からない」

そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
当事務所では、法務局での調査・土地家屋調査士の紹介・隣地所有者との調整サポートなど、必要な支援をトータルでご提供しています。

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