実家の売却時に片付けは必要? 手順と費用を解説します

実家を売却する際には、査定前や内覧前にしっかりと片付けを行うことが大切です。この記事では、なぜ片付けが必要なのか、その理由や効果的な片付けの進め方に加えて、実家を売る際に知っておきたい手続きの流れや必要な費用についても詳しくご紹介します。

弊所は「宅地建物取引業」の免許を取得しており、
行政書士業務と併せて事業を行っております。

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実家売却時に片付けをした方がいい理由

実家の売却を考え始めたときに、「片付けは必要なの?」「どのタイミングで、どう進めればいいの?」と悩む方も多いかもしれません。結論から言うと、実家を売却する際には片付けをしておくことをおすすめします。特に、査定前や内覧前に片付けを行うと、スムーズに売却を進めやすくなります。
この記事では、実家を売る際に片付けをした方がよい理由について、分かりやすく解説していきます。

1,査定額に影響する場合がある

不動産会社による査定は、売却を進めるうえでの第一歩となります。ただし、室内にゴミが多く散らかっていたり、汚れが目立つ状態だと、査定価格が下がってしまう可能性もあります。そのため、不要な物は査定前にできるだけ整理・処分しておくとよいでしょう。 また、一般的な掃除では対応しきれないほど汚れている場合には、専門業者によるハウスクリーニングの利用も検討してみてください。

2,購入検討者の内覧時の印象がよくなる

内覧は、購入希望者に物件の印象を左右する大切なタイミングです。部屋を少しでも広く見せるためには、不要な物をあらかじめ片付けておくことがポイントです。特にキッチンや洗面所、トイレなどの水回りは生活感が出やすいため、丁寧に掃除して清潔感を演出しましょう。荷物が多かったり、部屋が散らかっていたりすると、物件のイメージが悪くなる可能性があるため注意が必要です。

実家売却時の片付けの方法

実家を売却するときの片付けの方法は、自分で行うのか、専門業者に依頼するかの2つの方法が考えられます。それぞれのメリットと注意点について説明します

1,自分で片づける場合

処分する物がそれほど多くなく、片付けの範囲が限られている場合は、自分で作業を進めるのもひとつの方法です。ただし、片付けは想像以上に時間や労力がかかることがあり、体力的・精神的に負担になることもあります。
片付けに十分な時間が取れない方や、実家が遠方にあって頻繁に通えない場合は、無理をせず専門の業者に依頼することも検討するとよいでしょう。

2,専門業者に依頼する場合

片付けを業者に依頼する場合、プロの手で効率よく作業を進めてもらえることや、自分で片付ける手間が省けるといったメリットがあります。特に、処分したい物が多いケースや、自力では動かせない大型家具がある場合には、専門業者に任せることで安心して進められます。

ただし、業者に依頼する際にはいくつか注意点もあります。たとえば、費用がかかること、希望通りのスケジュールで対応してもらえない場合があること、そして家の中や持ち物を見られることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。こうした点を踏まえたうえで、複数社から見積もりを取り比較することや、混み合う時期は早めに予約をすること、見られたくない物はあらかじめ片付けておくことを意識するとスムーズです。

実家の片付けにかかる諸費用

ここでは、片付けにかかる費用について説明していきます

 

1,不用品を自治体で処分する場合

不用品を自分で処分する場合は、通常のごみとして出すほか、大型の家具や家電については粗大ごみとして回収を依頼する方法があります。ただし、通常のごみでも量が多いと追加料金が発生する自治体もあるため、事前の確認が大切です。

粗大ごみの処分については、民間業者に依頼するよりも自治体の回収サービスを利用した方が費用を抑えられることが多いです。たとえば、東京都調布市では以下のような料金設定になっています(※内容は変更される可能性があるため、最新情報は市の公式サイトをご確認ください)。

粗大ごみの例

費用
座椅子 折りたたみイスなど 315円
ソファー(1人用) 630円
ソファー(2人用) 1,260円
ソファー(3人以上) 1,575円
ソファーベッド 2,205円
電子レンジ 945円
両そで机 1,890円

なお、ここでご紹介したのはあくまで調布市の一例です。粗大ごみの回収方法や料金は自治体ごとに異なり、回収日や申込方法にも違いがあります。そのため、実家がある地域のルールについては、事前に自治体のホームページなどでしっかり確認しておくことが大切です。

2,専門業者に依頼する場合

自治体の回収サービスを利用する以外にも、不用品回収業者に依頼するという選択肢があります。すぐに片付けを進めたい方や、大きな荷物をご自身で指定場所まで運ぶのが難しい場合には、こうした業者の利用が便利です。
ただし、回収費用は業者によって異なり、一般的には自治体の粗大ごみ回収よりも費用が高くなる傾向があるため、事前に見積もりを取るなどして比較・検討すると安心です。

自分で実家の片付けをする場合の注意点

実家の片付けに取りかかろうと思っても、「何から始めればいいのか分からない」と感じる方も少なくありません。スムーズに進めるためには、あらかじめ片付けの流れを把握しておくことが大切です。

大まかな手順は、以下のようになります。

【1】スケジュールを立てて、家族と共有する
【2】片付けの優先順位を決める
【3】不用品を処分する

それぞれのステップについて、順番に解説していきます。

1,片付けのスケジュールを家族と共有する

まずは、誰がどのエリアを担当するのかを明確にし、家族内でスケジュールや作業内容を共有しておきましょう。事前に役割分担をしておかないと、家具の移動や不用品の置き場所が重なってしまい、通路がふさがれるなどして作業効率が大きく下がってしまうことがあります。

また、離れて暮らしている家族がいる場合は、あらかじめ予定を調整し、まとまった時間を確保することも大切です。作業当日は軍手やマスク、ゴミ袋、掃除道具などの準備も忘れずに。できれば前日までに必要なものをリストアップし、当日はスムーズに動けるようにしておくと安心です。

 

実家の片付け前にやっておきたい準備チェックリスト

担当エリアの決定
どの部屋・スペースを誰が片付けるか、家族で分担を決めておきましょう。

スケジュールの共有
家族全員の予定を合わせて、作業日や時間帯を調整。遠方に住んでいる家族がいる場合は、早めに日程調整を。

作業手順の確認
どこから手を付けるか(例:玄関から順に、押し入れ→居間→キッチンなど)、ざっくりとした流れを決めておくと混乱を防げます。

必要な道具の準備

軍手・マスク

  • ゴミ袋(可燃・不燃・資源ごとに)

  • ガムテープやひも

  • 雑巾や掃除道具

  • 懐中電灯(納戸や天袋など暗い場所がある場合)

貴重品・必要書類の保管場所を確認
通帳・印鑑・土地の権利証・遺言書・契約書などは、先に分けておきましょう。処分しないよう注意が必要です。

休憩スペースや飲み物の用意
長時間の作業になる場合は、休憩場所を確保し、飲み物や軽食なども準備しておくと安心です。

2,片付けの優先順位を決める

実家の片付けでは、まず「必要なもの」と「不要なもの」を分類することから始めましょう。さらに、不用品の中でもリサイクルショップやフリマアプリなどで売れるものと、処分が必要なものとに分けておくと、後の対応がスムーズになります。

また、家族間で「何を残して何を手放すか」の基準を共有しておくことも非常に大切です。同じ家族であっても、思い入れのある品を勝手に捨てられると、トラブルの原因になることがあります。

そのためにも、作業を始める前に、片付ける場所ごとに担当を決めたり、「これは相談してから捨てる」といったルールを話し合っておくと安心です。お互いの気持ちを尊重しながら進めることが、円満な片付けのコツです。

3,不用品を処分する

業者に依頼せずに不用品を自分で処分する場合は、自治体ごとのごみの分別ルールや回収日をしっかり確認することが大切です。中には収集してもらえないものもあり、回収日以外に処分したい場合は、自治体が運営する「廃棄物処理センター」などへの自己搬入を検討するのもひとつの方法です。ただし、持ち込める品目には制限があるため、事前にホームページや窓口でルールをチェックしておくと安心です。

一方で、「壊れていて使えない」「重くて運べない」など、自分での処分が難しい場合には、不用品回収業者に依頼するのも現実的な選択肢です。ただ、「どの業者に頼めばいいのか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

弊所では、再利用可能な家具・家電などの買取や回収を行う信頼できる業者選びについてもサポートしております。ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

実家売却の流れ

ここでは、実家の片付けを含めた売却までの一連の流れをご紹介します。基本的なステップは次の通りです。

【1】相続登記
【2】片付け
【3】不動産査定
【4】不動産会社との媒介契約
【5】売却活動
【6】売買契約の締結

実家を相続したあとに売却を検討する場合、まず最初に行うべきなのが「相続登記」です。これは、不動産の名義を亡くなった方から相続人へ変更するための手続きで、登記が完了していなければ売却手続きを進めることができません。売却をスムーズに進めるためにも、早めに相続登記を済ませておくことが大切です。

実家の売却にかかる費用

実家を売却すれば現金が手に入りますが、その一方で、売却にはさまざまな費用や税金が発生します。思わぬ出費に慌てないためにも、あらかじめ必要となる費用を把握しておくことが重要です。

ここでは、実家を売却する際にかかる主な【諸費用】と【税金】について、わかりやすくご説明します。

1,諸費用について

実家の売却にあたって、手続きやサービス利用に伴う費用です。
 

1. 相続登記・名義変更の費用

・司法書士への報酬
・登録免許税などの登記にかかる実費

 

2. 抵当権抹消登記(住宅ローン完済済みの物件など)

・登記申請に必要な費用
・司法書士への依頼費用

 

3. 不動産会社への仲介手数料

売却が成立した際に支払う報酬
【目安】
(売却価格 × 3% + 6万円)+消費税

 

4. 片付け・ハウスクリーニング費用

・業者に依頼する場合は数万円〜数十万円
・家財の量や清掃の範囲によって変動

 

5. 解体費用(空き家を更地にして売る場合)

・木造住宅で100万円〜200万円前後が目安
 

6. 引っ越し・不用品の処分費用

・自治体や回収業者を利用した費用
・大型家具などは別途料金がかかることも

2,税金について

【税金】

売却によって得た利益にかかる税金や、売却の際に必要な税金です。
 

1. 譲渡所得税(所得税+住民税)
売却で得た利益(譲渡所得)に対して課税されます。
【計算式】
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)


※相続不動産には「3,000万円特別控除」や「空き家の特例」などの節税制度もあります。適用には要件があるため、税理士や専門家への確認をおすすめします。

 

2. 印紙税(売買契約書に貼付)
売買契約書を作成する際に必要な税金。
【目安】
契約金額1,000万円超〜5,000万円以下の場合:1万円(軽減措置あり)

 

実家の片付けをして売却を成功させましょう

ここまで、実家を売却する際に片付けがなぜ重要なのか、効率的な進め方、そして売却までの流れや注意点についてご紹介してきました。
片付けがひと段落したら、いよいよ売却の準備を本格的に進めていきましょう。

実家の売却をスムーズに、そして納得のいく形で進めるためには、信頼できる不動産会社との連携が欠かせません。
「楓事務所」では、無料査定はもちろん、ご事情に応じた売却プランのご提案や、各種手続きのサポートも行っております。

「何から始めればいいかわからない…」という方もご安心ください。
実家売却の一歩目から丁寧にお手伝いします。

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